女人

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since: 24th/Feb./2000 laref modified: 18th/Mar./2000

Table of Contents
葵の上 明石の君 秋好中宮 朝顔の姫君 女三ノ宮
藤壺 弘徽殿の如御 紫の上 六条御息所

葵の上

光源氏の最初の正妻。源氏の父(桐壷院)と葵の母(大宮)は兄弟なので、二人は従姉妹同士です。葵が年上。東宮妃になる筈の人だったので、気位は一人前。源氏とは、結婚後不仲が続きます。源氏の恋人の六条御息所(の生霊)にとり憑かれつつ、長男夕霧を出産(源氏にとっては次男)。源氏と仲良くなるかなーと思わせて、あっさり他界。

私は葵の上が一番好きです。意地の張り方とかプライドの高さとか。そうそう心なんてモノは開けないしねー。如才ない人は上手くするんでしょうが、そんな人ばかりじゃあるまい。突っぱねるのも、表現の一つだもんね。どこにプライドを出すかは其々ですが、可愛いじゃないですか。親が甘いとこう云う娘が育ちそうですな。

明石の君

身分が低いので“上”とは云わないそうです。“御方”とか云いますね。源氏が明石にいた頃出会った、田舎娘。父(明石の入道)の神懸りな待望を背負った為か、内親王の様に高貴な人だそうな。で、目出度く産んだ姫(後の明石中宮)は、取上げれられて、後半、姫が入内するまで再会しません。再会後は姫(娘)の為に頑張ります。身分が低い事を苦慮。幸せを思い至っても、常に控えめ。琵琶の上手い、六条院の「冬の御方」です。

子供を産んだことがないので、母親としての生き甲斐みたいなものは、さっぱり分かりません。どう云うモノなんでしょうな。どうしてもこの人が、ふてぶてしく感じられて、好きになれません。忍耐強いと云うことなのかな。うー、わからん。

秋好中宮あきこのむちゅうぐう

六条御息所の娘。父親(前坊)はこの母の前では、もはや関係ないでしょう。でも父親の御蔭で王氏。朱雀帝の御世に、斎宮として伊勢に下向。この時六条御息所も同道する。帰京後、六条御息所が亡くなり、彼女の遺言で源氏に委ねられる。その後、朱雀院をふって(源氏と藤壺女院がね)、冷泉帝に入内。梅壷だったかな。斎宮の女御とか呼ばれますね。その後中宮になります。はしょってるなー。六条院の「秋の主」です。

六条御息所の良い所を受け継いだのかなあ。物語中に成長する人ですよね。この人誰が好きだったのかなあ。朱雀院かなあ。源氏に優しかったのか、冷たかったのか分かりませんが、斎宮だった自分に付き合わせて、お母さんも仏様から遠ざかった。娘として追善供養するべきだったのに、そこまで考えなかったなんて辺りは、気使ってンなあ。と思います。この人、大好きです。

朝顔の姫君

桃園式部卿宮の姫君。朱雀帝即位と共に、斎院に選定。源氏の求愛を受け、心惹かれていますが、終生受け付けませんでした。

紫の上はこの人に嫉妬します。朝顔の姫の方が身分が高いからですね。もし源氏と結婚したら、朝顔の姫は正妻になってしまう。紫の上は、「兵部卿(少女巻以降は式部卿)親王」の娘ですが、朝顔の姫は、「式部卿親王」の娘です。一応、式部卿の方が格が上らしいし、しかも、桃園に住んでいる。

桃園と云うのは、多くの貴人の居住地として有名な、由緒ある地なんですね。ここに住んでいると云うことは、門地が高いと云う事な訳です。家柄がいい訳だ。

紫の上は北山育ちだし、源氏との結婚もちょっと体裁悪いし、と云う訳で家柄はさて置き、境遇で負けているんですね。

朝顔の姫がちゃんと出てくる「朝顔」巻の頃、紫の上は、ライバル明石の君の娘を引き取ったりして、一応安泰です。そんな紫を脅かす為に、登場したのでしょうか。他にも、源氏の語られざる高貴な人との恋愛と云うことでしょうか。

しっかりしたオールドミスって感じもしなくも無いですが、この女性、私は印象が薄いんですよ。

女三ノ宮

朱雀院の最愛の皇女。母は藤壺中宮の異母妹の藤壺女御。父院の出家に際して、父院の配慮(わがまま?違うか)により、源氏に降嫁。源氏の正室。高貴な!高貴な!高貴な!お姫様。しかし其れ故に源氏を失望させます。彼女を「知恵遅れ」とする説と「高貴さ故の名誉有る無能」とする説があるそうですが、私は後者だ。柏木にはそこが良かったようで、柏木と不義密通。薫を出産。その後、根性見せて(内親王のプライドか?)源氏を振りきり、出家。

登場と退場が、はっきりしてますね。親の紹介で、パッと登場して、いきなり結婚話。紫の上と源氏と云う、理想的な人達のいる物語に入るには、これくらい必要と云う事なのかな。正室にもなるし、主人公の資格十分ですな。

ところで、当時はこう云う人が、高貴と言われたのですねえ。でもそんな事言ったら、「人の心を覗く事無く、傅かれていれば、誰でも高貴になる」ような…。同じ内親王でも、桐壷帝に入内した藤壷女御とは、大違いですね。どっちがより内親王なのかな。私は、かなりこの人贔屓です。

藤壺

弘徽殿の女御こきでんのにょうご

紫の上

六条の御息所ろくじょうのみやすどころ

源氏と結婚した訳ではないので、「上・御方」とは言いませんね。生涯を御息所(故前坊の姫君の母)として送った人です。格式高く、思い詰める性格で、葵祭りの時に、葵の上一行に受けた辱めを恨んで、葵の上をとり殺します。それが源氏にばれてしまい、恥じた御息所は、一切を諦めて、斎宮(娘・後の秋好中宮)と共に伊勢に下向します。帰京後、発病。末期に源氏に斎宮の後見を遺託。葵の上の時は生霊でしたが、死後も、死霊として紫の上にとり憑いたり、女三ノ宮を出家に追込んだりします。

源氏に託された娘は、中宮にまで出世して、源氏の繁栄を体現します。一方で源氏の子供たちの世話もします。つまり、御息所の遺言は、源氏の発展の源泉でもある訳だ。

気の毒な方だ。現実にも「あなた、何であんな男に…」というのはよくある話ですが、生霊になると云うのは余程の事がないとね。(勿論、当時と今の「生霊」に対する考え方の違いも大きいでしょうが)。ところで、御息所は違うと思いますが、「だから私はかわいそう」という考え方は、情けないですな。ていうか、腹が立つ。



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K. FUNAMI